間と食卓と調子~リフレクソロジー雑司が谷十音

日々のあいま、リフレクソロジーで聴く、心とからだの調子。リフレクソロジスト山﨑絢子のブログ。

手酌日記 2020年11月22日(日)

醸し系の「糠床日記」と解毒系の「手酌日記」があります。

 

昨日は法事があり千葉県へ出かけました。
帰りに大宮を回って帰ってみたのですが、
赤赤とした「高島屋」の看板に昭和愛がもりあがってしまい、
入ってみよう~と番頭とふたり、意味もなく7階あたりのジュンク堂へ。

 

登録販売者試験の問題集をチラ見してから、
そのそばにあった、「看護系読み物」を開いたら、

戦場に出かけていくことはそんなに美徳なんだろうか

 

という感じの文章があった。

 

医療従事者に窓辺から拍手を送るというのが始まったけれど、
拍手なんてもらっていいのだろうか、
大事な人を守るために現場から身を引くことはそんなに責められることだろうか

 

というようなことも書いてあった。

 

 

わたしは週4日、マイナーな時刻に電車に乗るので、同じような時間に現場を移動する世の中のいわゆる「スタッフ側」の人と毎回同じような位置で会います。この場合、準備と後始末のサービスをする人のこと。

 
その中の何人かは清掃スタッフで、彼、彼女がいなくなったら駅の階段はほこりだらけ、改札機は曇り、トイレは大変なことになるのでしょう。
自宅を1日掃除しなかっただけで両手にこんもりとほこりが溜まるのを見れば、これだけたくさんの人がいる世の中が、これだけ整っているというのは本当に奇跡のようなこと!
如何に孤独な善意や使命感が、多くの瞬間ぐっと踏ん張ってくれているかと思う。

 
この人たちが引きこもったらインフラストラクチャーは崩壊してひどく不衛生で無秩序になってしまうんだけれど、それは踏ん張った経験のあるスタッフには容易に想像できること。

 

 
「我々のために戦場で仕事してくれてありがとう~パチパチ」
医療に従事してくれてありがとう、品出しをしてくれてありがとう、トイレを掃除してくれてありがとう、しっかり隔離して我々に近づけないで看病してね、マスクいつ入荷するんだよ、汚したけれどあとよろしく…
戦場で傷つき抜くと、拍手の善意も疑うようになってしまいます。

 

 
加えて、報道される仕事が、あまりにも誠意のない、妥協や忖度やナントカのことが多いので、
目で読んでばかりいると、仕事の質量や熱といったことを忘れがちでした。

 
外出したら、世界はありとあらゆる妥協のない仕事で建設されていました。
出掛けて見回した時に入ってくる刺激は、タップひとつで受け取る情報の圧とは比べ物になりませんでした。
今日そんなことを学生さんと話していて、「例えばどんな仕事ですか?」と言われたけれど、まさにあなたも十音に来てわたしの仕事に触れてくれたわけなんだけれど。
手技療法って、身につける洋服より最短な他人の仕事かも。

 

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 逆に、外出するなという空気が他人から来たときは、要注意かもしれません。

特に、「わたしは我慢しているのに、あなたももっと我慢するべきだ」という系統のやつは、正しいこともありますが、拡散するのには一瞬検討したほうが。