ねじでとめてある。
牛脂42度
ラード40.7度
シアバター37度
以上、本日の融点についての学習でした。
本日、東京は37度になるという噂です。
ふと人間の脂肪の融点が気になる午後3時。
十音はセッションルーム以外では冷房を使わない生活をしており、
(つまり十音がセッションしているあいだ、
番頭はお隣の部屋にて、南からの自然の熱風を浴びながらかーっと仕事しています)
夏には2つの扇風機が活躍します。
1つは15年以上前に買ったドイツ製の縦型扇風機。
もう1つは結婚した時に番頭がもってきた床型の。
ふたつとも、夏中つきっぱなしで、ずいぶんと埃がつもってきました。
床型にいたっては、一晩中カタカタと音をたてはじめたので、ばらして洗うことに。
縦型のは、大きな留め具を2こ外すだけでバラバラに。水で洗ってごきげんです。
さて、床型との死闘20分の始まり。
番頭がわたしの悪態を聴かないですむように、彼がひとっぷろ浴びている間にとりかかります!
まず、首を振らないかわりに、風向きを変えるためについている格子を、はずす。
大きな留め具を取ったら、すでに過去にわたしがブチ切れてねじを捨てていることがわかりました。こりゃ、カタカタ音がするわけだ。つうか、なんでここに4つもねじ。
ブラウン管みたいに扇を覆っている、カバー。これもなんと「ねじ」で止めてある。それも下のようなT字の抑えとセット。
これ。どうして、ねじでとめる?ひっかければいいのでは?
やっと取り去る。このフレームも、無駄だ無駄だ!なぜフレームまで表、裏に分かれていて、ねじでとめてあるのだ。なぜ、そんなにねじが好きなんだ!
丸洗いできないのを悔しがりながら、拭いたりなんなりする。
そして再度、組み立てる。
こうやって、ネジをハメねばならない。指が届かないので、油断するとしたに落ちる。
「ああっ」とか「クソっ」とか「アホめ」とか悪態をつくのはここ。
かくして洗われ、締め直された扇風機はまた静かに動いてくれるようになりましたが、
いつも、これを開発した会社の切羽詰まった感じを想像し、
もうちょっと計算したり、もうちょっと工夫したりできなかったのかなと思います。
製品を世に出すって、すごいことだと思うのです。だから、その手前の「もうちょっと」を妥協しないで踏ん張ってほしい。
たくさんのねじによって安易に形になったけれど、扱うこちらのことを考えたなかった、もしくはひと夏使い捨てだと思ってしまったのかな…
いつも夏、教訓として手に覚えさせる、この「ねじ」の感触です。