間と食卓と調子~リフレクソロジー雑司が谷十音

日々のあいま、リフレクソロジーで聴く、心とからだの調子。リフレクソロジスト山﨑絢子のブログ。

演る人。

みっちゃんは、「劇」を好きだなあとつくづく。

11/27 オペラ プラテ
何年もやってるなあと横目で敬服していたフレンチバロックオペラを
この11月2度目の来場ブリリアホールにて体験しました。


高橋 美千子ちゃんは、十音の音楽家のクライアントのおひとりです。
https://www.takahashimichiko.com/
まだ、ラフマの椅子もなかった、
施術の順序も暗記していなかったケーススタディ時代から来てくださってる。
現在はパリに住んで、
音楽集団 Les cris de Paris の声のメンバーとしても忙しく活動されている。
http://www.lescrisdeparis.fr/?lang=en

夏にもあげましたが、
見るたびに鮮(戦)烈な印象を残して次へ向かっていくので、
自分のアーティストとしての姿勢もちょっと問い直す。
彼女を体験する人になんらかのキッカケを与える力の強いアーティストだなと思う。
彼女の声はシャーベットみたいな清涼感だけれど、
彼女自身がgranitéで終わろうとしてないからね…と
10年以上前みちこちゃんとオペラで共演された方が、わたしに言った。

鑑賞するわたしにとっては、
与えられた場で必ず90点以上を叩き出す瞬発力が
すごく魅力的。
舞台にチャレンジがあるアーティストを見るのが好きだから。

当然ながら埋もれない人で声なので、
アンサンブルになるとみっちゃんの声が空気を切り裂くように飛んでくることがある。

そんな人が
このオペラでは「フォリー(狂気)」という、
神界の猟奇的な一匹狼として暴れているというので、
ずっと見に行かなきゃって思っていたんだけれど、
どこか予想もつくかなと思ってたところもあって(ごめん笑)ぐずぐずしていました。
今年、「今」だけの姿を見て聴けて、よかったなと思っています。

プラテ自体は、王族がげらげら笑って楽しんだのかな、と思い描くような、
どうしようもないストーリー。
(これがオペラ初体験の豊島区民もたくさんいたと思う!)

ですが一つ一つの演劇的な言葉とマイムに裏を読むようなエスプリがあって、
また歌い手の皆さんが踊るかのようにさらさらと動くのにびっくりしてしまいました。
今って、オペラ歌手も動きが美しくないといけないんだなあ。

舞台として一貫した世界観がある演出で、
監督の構成力と美学にも敬服しました。

フォリーはアポロンから理性の象徴のような竪琴をもぎ取ると、
この実はひどい狂言祝宴に、
真実(毒舌です)を張り巡らしながら、
空気を歪めていきます。
知らされる側は、居心地が悪い。

しかし当て馬として使われて捨てられショックを受けているプラテを
実は1番気にかけていて、
プラテが激怒するにつれて力を削がれ村人に紛れ
「普通の神」に戻っていくように見えるフォリー面白いなと思いました。
存在感を消すのって難しいことだと思うので。

1人二役で1幕ではアムール(キューピッド)も演じたみちこさん。
掛け持ちすることでストーリーに新たな解釈を加えて謎かけしてくる感じも
見ている側としてはチャレンジングでいい経験でした。

また会えるのかしら、フォリー。

また呑んで談義しましょうみちこちゃん。