間と食卓と調子~リフレクソロジー雑司が谷十音

日々のあいま、リフレクソロジーで聴く、心とからだの調子。リフレクソロジスト山﨑絢子のブログ。

ある友人とのオンライン文字対話。

Sさん:
10年前にこれからは予測できないことばかり起きる時代になると言われていましたが、本当にそうなりましたね。

不確実な未来、不確実だからこそ(仮にいいことが起こるかもしれないとしても)もっと悪い変化が起きるのが怖くて現状維持を好む、その結果いまの悪さが固定して人々は苦しみ続けることに。
技術革新はこれからも生まれるでしょうし(もちろんこのcovid-19が技術革新を生む1つの大きなきっかけでしょう)、人々の意識も変えていくと思いますが、途中の議論をいろいろすっ飛ばして一番必要なのは経済成長を前提にした考え方をやめることだと思うのですよね。足るを知るというか。

 

十音:
そうなんですよ。実は、その「すっとばし」に、「書いて伝える」がある気がして。
オンラインライヴって、どうしてこうもドライで、語彙貧弱なのだというのが、もうどうにもひっかかって。
癒しとかって、そんなに時短でいいのか?って考えてしまって。
それがこのウチアシ企画のモチベーションです。
言葉のやりとりがしたい。
これをしたことでSさんとも言葉が交わせたし、やっぱり言葉の交歓ってあるなと。

 

S:

そうなんです、まだ私達が非接触の会話に慣れていないだけかもしれないんですが、どうしてこうもドライな感じしてしまうのか。
むしろ文字こそ完全なる非接触のはずなのですが、書かれたものの温かみってありますよね。自筆かどうかに関わらず。
ということは結局、そこに仕込まれたエネルギーと温度の違いではないかと。

 

十音:
うん。いつぞやの「音楽をまなびほぐす」ゼミを思い出します。演奏を超える曲目解説というか、

 

S:
懐かしいですね〜〜!
オンラインにももっと温かく語彙豊饒になれる可能性はあって、その方向の開拓もしたい。
そして反対に、オンラインコミュニケーションをすることで既存のコミュニケーションに対して理解を深められるし高めていけますよね。
で、結局そのどちらにも言葉が根底にあるという。

 

十音:
「来て、聴けば、体験すればわかるのだ」と少々あぐらをかいていた分野が苦労していると感じます。
「ウチの足の物語」の問いは、次のようなもの。

 

 

出られないわたしたちと

触れられないセラピスト

ウチの足の物語のこと

 

新型コロナウィルスによる感染症拡大防止策として、緊急事態宣言を受け取ったわたしたち。

外出自粛要請はいまのところ5月6日(水)まで。

 

人と集わないと、会わないと、触れないとしごとができない手技療法者にとって、

「人の命がかかっている」この自粛要請はこころに重たく、

医学的にも、経済的にも、倫理的にも、世界が分断されそう。

 

クライアントのキャンセルメールにも深く悩んだあとがみられ、

いっそ休業宣言をだしたほうがお互い楽になるのかとこちらも悩む。

いっぽうで、リフレクソロジーは休業要請の対象にならないのではと、

混雑した通勤電車やマスクを求めて人が並ぶ列を見ながら思ったり。

 

逡巡するわたしの「思いコリ」について思考をめぐらせました。

 

手で触らないと、解せないのか?​

しごとはできないのか?

外に「出られない」のか?

​制限もまた、刺激ではないのか?

 

 

S:
面白いですね!!

----
「人の命がかかっている」この自粛要請はこころに重たく、
医学的にも、経済的にも、倫理的にも、世界が分断されそう。
----
ここなんです。分断がキーワード。
人が違うのはやむを得ない、でもこんなに鋭く分断しないことって可能だと思うんです。
みんなイライラしてる。
触れられなければほぐせないのか?はすごく画期的な問いだと思います。
困難な時でも思考をやめないことが一番大切だと思っています。

 

十音:
ほぐすって、確かに適切な問いを投げかけること。
筋肉に逆の力をかけてみたり、違和感のある言葉を組んでみたりすることによる「介入」の手法選択も大事だと思います。

 

S:
凝り固まった思考を揺り動かす、それも心地よさのなかで。

 

十音:
縦にはしる筋繊維を横に揺さぶったりしますね。
足には26個も小さな骨が組み合わさっているので、それらをいちいちつなぐ小さな筋肉がたくさんついており、それをいちいち揺さぶるのがわたしのやっているリフレクソロジーの手技です。

 

ね、言葉でもできるかもしれないでしょ。

 

S:
「凝り固まった思考を揺り動かす」のって、どうしても戦闘的になりがちなんです。
介入するにしても挑発的な言辞になったりする。
そうすると気分が悪いのでだれも読み進めてくれませんよね。
もリフレクソロジーは超気持ちいい。
幸せと安らぎを感じられるから何度も通いたくなって、いつの間にか体質も改善されている、と。
言葉もこうありたいものです。(学びが深い!)