tonenoteトオンノオト 発泡酒
今日はケースモデルの日だったのに、スケジュール帳を見ていなくてすっかり油断しており、50分遅刻で伺う。
滅多にしないことなので落ち込んだ。
それにしても走った。駅まで5分ばかりと駅構内から8分ばかり、ぶっ通しで走った。
帰りは池袋で降り、蚊取り線香のかおりのする往来座で古い本をねっとりと見ていたら、後ろから
「もう呑もう!今日はもう」
「早!」
という女子の会話が聞こえてきて、うっとりしてしまった。
そうやってずぶずぶと酔っ払っていきながらどうでもいいことを噂話するような、そんな素敵な夕べがあったなと思って。この事態下でも元気でそこは死守している人たちもいると思ったら嬉しくなる。
アパートに戻ると、番頭は走りに行っているらしい。
私は部屋の前で鍵を忘れたことに気づく。
さっきの会話が懐かしくてひとりカクヤスに発泡酒を買いに行き、部屋の前で飲みながら待っているいまここ。
発泡酒も色々売りながら、これはどんな味なんだろうと興味津々だったから一缶試してみたが、美味しくない。「のどごし=強炭酸」ってことなのですね。酒精だけは強い。
ずぶずぶ。