間と食卓と調子~リフレクソロジー雑司が谷十音

日々のあいま、リフレクソロジーで聴く、心とからだの調子。リフレクソロジスト山﨑絢子のブログ。

白い立体紙細工のような神神の祝祭劇を、雨の池袋西口公園で

これは観に行かねば、体験せねば、と血が湧くような舞台が年に何本かあり、

何か月も前に手に入れたチケットをずっと持ち歩いてとうとうその日が来てしまった。

この日観たのはそんな舞台の1つ。

 

#マハーバーラタナラ王の冒険
#東アジア文化都市2019豊島 バージョン
1公演目を客席内で観て
2公演目はリングの外から
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実は ク・ナウカ 時代からの 宮城聰さん演出の熱烈追っかけだったので、コレが体験できて本当に嬉しい。
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当然ながら、客席内はチケット代を払って入り、傘は禁止。
リングの外は、雨の中立ち続けの根性があれば誰でも見られるし、裏もまる見せでまるでメイキングを観ているよう。

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演劇をめぐる「格差」を考えるにあたって、池袋西口での野外公演は興味深い実験材料でしょう、
演劇を観られる(チケットを買える)人とそうでない人ということをいつも考えます。
「楽に買える」と「苦労して買えた」も。
 
東京芸術祭2018でのコメント。
https://tokyo-festival.jp/2018/program/1686/
この時は、わたしは外からだけ、120分観ていました。
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ク・ナウカでもSPACでも、野外公演は観られる観られないの境界が思いっきり曖昧になり、
実は自分がチケットを買ったことに優越感を持っていて、その楽しみを劇場内に独占したいと思っているのではないか…といつも問うてぞっとするのですが。
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リングに沿って展開される巨大な平安絵巻。
立体紙細工のような愚かな古代の神々(人間大好物)。
ここにもバロックと同じく人間と、神というか五行の分かれていない壮大な世界があって魅了される。
絵巻を裏側から観れば、そこには俳優の生っぽい姿とスタッフの動きが。
プロフェッショナルとしての無駄のない身支度、待ち姿、音を頼りに時が来るとリング上に駆け上がっていく、空気の切れ目のなさに感動する。
これをただで観られて得したというのか、泥棒なのか、いやみんな参加者よと言うか。
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個人的には人間が舞台上を「かける」のを見るのが好きでして、
(夫が焼いた肉をくわえたまま)狂喜してリングを一周爆走するダマヤンティ姫の
ひるがえる十二単が雨をぶっ飛ばす様、などツボ過ぎました。(すみません具体例すぎて)
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横殴りの雨が風と光を可視化して、さながら白い神様たちの宴を見るよう。
楽器はビニールに包んだりと保護されていましたが人間はみな肌を寒空にさらして白い息を吐いており、守られていない迫力に圧倒されました。

 

やっぱ攻めないとな…と決意する十音でした。

 

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