間と食卓と調子~リフレクソロジー雑司が谷十音

日々のあいま、リフレクソロジーで聴く、心とからだの調子。リフレクソロジスト山﨑絢子のブログ。

ほぐしをほぐすVol.1 ほぐしをほぐす~セラピストのコリほぐし~Vol.1⑤本当に、「全てはつながっている」

――解剖の「剖」の字の訓読みって、知っています?

「さく」なんですね。

解剖=さきほぐすなんです。

 

さきほぐしてきましたよ。筋肉の一個一個を 笑。

 

 

 

――解剖シェア会の時に、ご献体のジョンさんが、

さきほぐされていくことによって

だんだんリラックスした感じになったという話があって。

 

だんだん「いい感じ」になっていくんですよね 笑。

 

 

 

――その筋肉をとりはらわれることによって

「いい感じになる」っていうお話をシェアしたいなと思いました。

 

ざっくり説明すると、解剖実習は5日間あります。

4日目までは同時進行でどのグループも同じことをするんです。

上から順にやっていかないで先走ると、

早い段階で腹部から匂いとかも出てしまう可能性もあるので。

 

初日は、皮膚と脂肪の間をメスで剥がしていく。

2日目は脂肪と筋肉の間を。

3日目は深筋膜の皮の部分だけを取ります。

腸詰の皮みたいな感じ。

最後、そこまで取ると筋肉と筋肉の間をという風に。

その間に腹腔から内臓も出すんですが。

5日目は徹底的に見たいものを見るということになっています。

 

そうやっていく時に、

実は皮膚が私たちの動きを制限している、

ということに気づく。

 

脂肪の上の皮膚を取るだけでも結構ふわん、となっていきます。

長年寝ていた人たちなので、

ある程度の変形もあるんですけれど、

それでも皮膚を取ると

フワ、フワ、フワと身体が解けていく。

 

骨格の変形とかは割とそのままなんですけれど。

だんだん、なんというか…

「安らぎ」が出てくるんですね。緩んでいくんです。

 

 

 

 

それを見ていて、

私たちの可動を狭めているものは結構あるんだな、

と気がついたんです。

何が一番狭めるかというのは

人によって違うんでしょうけれど。

 

今日のテーマは「コリ」ですが…。

コリが、解りやすい形でここにあるのかと思ったら、

探しても全然ないんですよ

 

でもそれはこっていなかったわけではなくて、

私たちがイメージする形ではなかったわけです。

なんなんだろう、コリって…って思いながら

ずーっと「剖いている」。

 

これはエビデンスではなくて私の印象ですが、

力みによる姿勢の変形や、

それによるひきつれのようなものが、

コリっぽい感じ。

 

だとすると、施術で「想像上のかたまりをほぐす」というのは

徒労に過ぎないのではという。

 

ここと、こことが狭まってしまっているのであれば、

こっちを良い位置に持って行って、

こっちをまた良い位置へ持って行って、

そうしたらここの間は楽だよねとか。

 

実際ゴリゴリしていると感じたのは、

白い腱の部分だったりしたので、

これは逆に言うと、

どんなにほぐしても解れるものではない

ということなんですよ。解れない。

 

だから、コリはただそこに、

だまみたいになっている、「よれ」に近いですよね。

 

よれをいい位置に戻してあげる。

知恵の輪のような感じなんですが、

ここをいい動きにしてってあげれば、

戻るのかなと思いながら最近はやっています。

 

この前山﨑さんと、

リフレクソロジーで言う

足裏の「デポジット(しこり)」ってなんでできるか、

みたいな話をしていたんですが。

 

胃のところに大きなデポジットがあったとして、

これが解剖でいうと何か…?というと、

脂肪の先にある足底の筋は割としっかりしていたので、

あれがよれたのかも?とも思う。

 

歩き方のひずみがそこにたまって、

よれ気味になった結果が、

足の裏の癖で残っているのかもしれない。

 

では実際に、デポジットと内臓の相関関係は

どうなっているのかと思ったりはしますが、

そこで「筋膜」という考え方が出てきます。

 

私が行った解剖体験は筋膜の専門家、

トーマス・マイヤースが主催していて、

普通の解剖より筋膜の話が多く、

「アナトミー・トレイン」という筋膜の解剖をベースにしていたんです。

 

筋膜は長らく日陰の存在でしたが、

今はフィーチャーされてきていますね。

筋膜が流行っているなと思って

ブログにも何度か書いたのですが、

実はエサレンの中には

筋膜アプローチがふんだんに入っているんです。

 

その考え方で言うと

筋膜のスパイダーマンスーツのようなものを

人間が着ているとして、

ざっくり説明すると、どこかでつままれた「よれ」が

別のところにも来るよ、ということ。

 

そのよれによって引っ張られた臓器が

かしいだりとかすることは絶対あるなと思ったんですよ。

解剖でひらいてみたら。

 

解剖って腹膜の中身をごっそり出したりするんですけれど、

うちのチームには横隔膜だけをとり出したいという人がいて、

それは切り離すのがかなり大変そうでした。

なぜなら横隔膜は真ん中なので

あらゆるところとくっついているんですよ。

 

私たちは5日かけて

全身をさばきにさばいたんですけれど、

結局つながっていなかったというところは一か所もない。

 

ふわっとした、「全てはつながっているよね~」と

かいう話ではなくて、

本当に、「全てはつながっている」んです。

 

その中でも筋膜によってつながりの深いところ、

筋肉と筋肉の接触が深いところ、と

「つながりの深さ」には違いはあれども。

 

私がこれから学びに行く胎生学にもつながっていくのですが、

結局受精卵が分化して人体になっているから、

つながっていないわけはない。

 

胃のデポジットができた理由は胃が先ではなく、

股関節や歩き方が先かもしれません。

結果、足裏の胃の反射区のヨレが

胃に影響を及ぼす可能性はあるよという話。