間と食卓と調子~リフレクソロジー雑司が谷十音

日々のあいま、リフレクソロジーで聴く、心とからだの調子。リフレクソロジスト山﨑絢子のブログ。

2021 白露 草露白 足を解す

まるで二胡のようなジョンさんの、


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まるで千斤のような支帯にまとめられた、弦のような趾伸筋の束


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こんがらがることもなく、

支帯がたたれてさあっとそれらが持ち上げられ、トッド・ガルシアが膝のほうへ引っ張ると第1趾がまるで存命のときのように持ち上がった時には涙が出そうになりました。

 

ぼんやりと、解剖と芸術の狭間というところに十音のリフレクソロジーがありそうな気がして、

アリゾナへ解剖実習へ行かれた小松ゆり子さんをゲストにお呼びして、「ほぐしをほぐす」のVol.1として、無茶ぶりな3時間トークをしていただいたのが2018年。

 

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その時に小松さんが仰っていた、「解剖が進むにつれ(ご献体の)ジョンさんがゆるっと、リラックスして見えてくるんです」という言葉をしきりに思い出す。

 

アナトミー・トレイン筋膜解剖のライブストリーム1日目を視聴しました。

アルバイトがあるので、3日間のうち2日間は録画視聴だけれど。

その録画も120時間、何回見てもよいと許可されているすごい授業です。

 

こんな時代だからこそのライブストリームだったと思いますが、神的と称されるメスと鉗子の動きで気持ちよく剖き解されていくのをどアップでガン見させていただける。

今日は十音的にはちょうど真ん中の、下腿部ひざから下の授業でした。

 

料理好きなのでかたまり肉をよくさばきます。

なので、ふくらはぎの筋肉の重みのようなものは昔アルバイトで扱ったヒレ肉を思い出したり、イメージしやすかったのですが。

  

縦に長く筋膜でおおわれて、ちょっと乾いた柑橘類のふさのようにぱらりと(と、見える)分けられていく腓骨筋や腓腹筋やヒラメ筋と違うのが

 

足底…

 

2018年にフィレンツェで、会いに行ったのはダ・ヴィンチでもミケランジェロでもなく、中央病院からの遺体を蝋でかたどって組み上げた人体解剖蝋の美術館「ラ・スペーコラ」。

reflexologytone.hatenablog.com

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そこで見た足底の脂肪の質感が蝋とは思えないほど印象に残っていたので、予想はしていたのですが、

足底は癒着していて、ものすごく複雑で、湿度に満ちて有機的でした!

バターのような脂肪を取りよけながら、足底では筋膜も腱も、「分けられる」というよりは「掘り出されていく」という印象です。

最後にぐさっとメスが入ってころころと解けられていった踵骨、距骨の断面。

大きな仕事をしているはずの足底のつながり加減てこんな感じなのか〜うーむ

と云うのが第1印象です。

 

しかし

思わずわあと声を上げてしまった、

腓腹筋にぴったりと這う、「足底筋」の存在。

大腿骨の下部に起始、踵骨の上部に停止を持つほそーくてなんだか心許ない筋肉で、役割を持たないと言われていたらしいのが、実はかかるストレッチなどのモニター機能をもつことが分かったという。

この、アキレス腱の停止あたりの刺激は十音のかかとの刺激の中でも反応を頂くところで、何かあるはずと思っていたけれど、人間の経糸、ここにまとまりということか。

 

距骨の調整と同じく、足底筋の意識をしながら好評のかかとまわりの刺激の精度を上げるべし。

 

かかと周りは要、反射学的にも腰ということ。

半端ない脂肪の厚さのむこうにあるものを見せていただけてとても嬉しかった。

 

解剖は剖(さ)き解(ほぐ)し。

 

これの前に、言葉にして解(わか)ってしまうことの副作用についても(アルバイト中に)考えていたのですが、それはまた別に書きます。

取り急ぎ、メモです。