肉と気配のこと。
人肉が必須か、
気配と共に生きて来たか。
オンラインリモートへの適応と拒絶感にそんなことを思います。
この映像の中で「カニもあればカニ蒲鉾もある」と言われているが、
生カニにあってカニカマにはないものと、もちろんその反対もあるわけだ。
十音は直接の振動の有無にこだわっていると思います。
新陳代謝はあまりないほうらしい。
だから、触感を渇望し、生音を渇望しつつ、
白状するとそれなりにこの状況も居心地好い。
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スタジオでなくても専門家でなくても、番組のようなものをつくることができるようになって、You Tubeとかオンデマンドでいつでも見られるようになった。
音声が突然きえてしまったりと、技術的なハプニングはあれど、それはまあ、大きな問題ではなく、その「人」の思い入れが聴けたというだけでたくさん得るものがある。
内容が薄くて品格もどこかに置いてきたバラエティ番組や、詩の感じられないJ-POPばかり流れてくる妙に慣れた感じのラジオ番組より、地味ながら時間が濃い。
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音楽フェスもこういうのあるのかな。
音楽ライブが並んでいるのもいいけれど、
団体の長が集って司会者を立て、
今を語るようなことがあれば、勇気を引き出せる音楽家もいると思う。
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こういう事態にならないと、接触しなかったこと。見えなかった底力。こういう事態だからあぶり出されたがっかり。積み重ねてこなかったこと。自分の譲れないことに気が付いたりしている。
今、これからのわたしの人肉の立ち居振る舞いと、他人の肉体の立ち居振る舞いを、忘れられないだろうと思う。
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煙草ぷかぷかで、ストレスフルで、政府のことなど一言もでてこない1時間40分。オチはない、ちょっと明るくなれる。精神のひん死状態にあるひとたちに、演劇ができること。
◆俳優たちにどんなことをやったらいいかと訊いたら、
演劇がないと生きていけない人たちだから、
A4 60枚ぐらいきちゃった。(宮城聰)
どうしたら生き残ることができるか、息ができるのか。
◆僕らは、ちょうど、今やるべきものがなくなっちゃったから。でもなくすって、泣けるじゃない。泣けるっていうか、生きていけないじゃない。(宮城聰)
◆人がいるところにいつでもどこでも演劇があって不思議だったんだけれど、今人類史上初めて世界中で演劇が止まっていて、コロナウィルスってなんだろう。
(宮城聰)
◆わたしたちはつながりすぎているがゆえに、一気に世界中動けなくなってしまった。(やなぎみわ)
◆基本的にはやれるひとやっちゃっていいじゃんと思っている。僕自身は自分のもっている作品の価値や美意識とは関係のないところで作品を公演できないという経験は山ほどしている。作りたい人は作ればいい。いずれやればいい。(タニノクロウ)
◆政府から要請とか来なかった時期は、どんなことになるのかとわくわくしていた。演劇は以前はネット上にあげるって裏切り行為みたいなところもあったけれど、コロナを言い訳にネットに移行していくみたいのもあった。コロナを超えても会いに行きたい人か。
◆理由はわからないのだが、この状態がずっと続いたらいいなと思っている。(岩井秀人)
◆移動の制限はストレス。不確定なものに出会えない。旅がない。(タニノクロウ)
◆生と死が迫ってくる感覚を作家として好きなんですよ。エネルギーをもらう。でも、今回はエネルギーもらうどころか活動停止ですから。つぶさに見ていきたい。(やなぎみわ)
十音は、(これまでも閉室はしていないのですが、)5月もいままでどおり開室しています。
開室予定は、Googleカレンダーでこちらのページからどうぞ。
基本的に、
月 7:00~23:30
火 15:00~23:30
水 7:00~23:30
木 15:00~23:30
金 15:00~23:30
土 15:00~23:30
日 7:00~23:30
です。2時間お取りください。
十音は週4日早朝アルバイトに電車通勤しています。保菌者である可能性は否めませんので、ご家族に身体の弱っている方、ご高齢者がおられる方は、お控えください。
そして5/24(日)雑司ヶ谷手waza市は、敢えて施術はなしとします。企画をお待ちください。